ベガルタ強し

「仙台経済界」2002年5-6月号掲載

 ベガルタ仙台の勢いが止まらない。昨年のJリーグチャンピオン鹿島アントラーズを破っての開幕5連勝。J1昇格チームとしては、開幕3連勝がこれまでの記録だったことを考えるとまさに快挙といえる。なにかと暗い話題が多い近頃にあって、久しぶりに素直に喜べる話題をふりまいてくれている。また、この勢いの源がサポーターの力強い後押し、スタジアムの盛り上がりである点は大きな意味を持つ。東北の人は、「ノリ」が悪いとか、祭りをやってもいまいち盛り上がらないという、一般論を見事に払拭してくれた。これまで、プロスポーツ不毛の地とされ、他の地方都市である福岡や広島、札幌に大きく水を空けられていただけに、今回のチャンスを最大限に生かして、しっかり地元に根付いたチームになって欲しい。この盛り上がりこそが地域経済の活性化に直接結びついていくのである。

地域活性化の切り札「清水大明神」

 生粋のサッカーフリークは、お金の話ではないと少々気を悪くするかもしれないが、地元経済に与える影響は大きい。入場料収入、飲食関係の売上、関連グッズの売上等の直接的な効果に加え、ベガルタの活躍が、地元において各種媒体の売上に大きな追い風を与えることになろう。あたりまえのことだが、人が動けばお金が動く。公共交通機関に与える影響も無視できない。仙台スタジアムへの地下鉄利用者はもちろんのこと、アウェーの試合にも貸し切りバスで、多くのサポーターが応援に駆けつけている。詳細な計算は専門家に任せるとしても、市や県が拠出したお金の十数倍程度の効果は期待できるのではなかろうか。裾野を広げ、乗数効果を考慮すればもっと大きなものと考えることができる。ハード中心の公共投資による経済刺激策に、限界が見え始めているという批判が高まるなかで、市民参加のソフト型の地域経済活性化効果をもたらしている点は注目に値する。サッカーを中心とした地域活性化については、大先輩のカシマに見習うべき点は多いだろう。ここまで盛り上がって初めて出てくる問題点もあろう。この勢いを止めないためにはどうすべきか、行政サイド、地元経済界の積極的な取り組みに期待したい。それにしても、今回の大躍進をみるにつれ、改めて指導者の役割の重要性を感じずにはいられない。清水監督は、第4節終了時点で現役監督としてJ1最多勝利の記録を打ち立てた。まさに、優れた指導者の導きがあってこその開幕5連勝である。カシマに「神様ジーコ」がいるように、仙台には、「清水大明神」がいる。